unity1weekの結果発表を受け、今後の進め方について考えていました。
結果発表
unity1week で、「薬草そろえて売ってみる?」というシミュレーションゲームを出品しました。

最終PV

最終的に、279名もの方に訪問いただき、37名の方が評価を入力、6名の方のコメント※を寄せて下さいました。
※集計上のコメント数は私からの返信も含まれるので14になっています。
私のような駆け出しクリエイターのページを見に来てくださり、プレイして下さったことに感謝しています。いずれも前向きなコメントで次のやる気に繋がりました。
訪問者の分布
PVについて、投票期間に占める訪問者の割合は、
公開初日の深夜までの4時間(日曜夜20:00~24:00)で全体の 10%
翌日の深夜(月曜夜24:00)迄で 25%
最初の一週間(土曜夜24:00)迄で 65%
でした。これがイベントの持つ熱量の一つの目安になると思います。

なお、2週間の投票期間後も、毎日数名の方がプレイして下さり、Unity1weekの交通量の多さを実感しました。
相互プレイ数を増やすための仕組み
尚、投票期間後に気が付きましたが、評価を入れて下さった方、および未プレイのゲームは、イベントページで確認できます。

せいぜい10~15PV、1~2名の方から評価をいただけたら成功くらいに考えていたので、こういった仕組みによって、多くの訪問があったことは正直驚きでした。
記事とアクセスの関係
記事の投稿が訪問者増に繋がるかを見てみたかったのですが、効果のほどはよく分かりませんでした。

Twitterから各ページに訪問して下さった方、Unityroomでプレイ前後に訪問して下さった方が思っていたよりいらっしゃって、特にヒントが欲しい機能について、アクセスがあったように感じました。
これらのページは、どちらかというとゲーム離脱率の低下に繋がったかもしれません。
(期間中の各記事へのアクセス数)
記事 | Twitterからアクセス | unityroomからアクセス |
---|---|---|
ふりかえり | 41 | - |
ブログトップ | 29 | - |
取引総量と平均 | 8 | - |
攻略カテゴリ トップ | 8 | 36 |
探索 | 5 | 4 |
ゲームの紹介 | 5 | - |
市場取引 | 1 | - |
ハート(体力) | 1 | - |
得点

評価項目 | 得点 | 星 |
---|---|---|
楽しさ(Fun) | 3.135 | ★★★☆☆ |
絵作り(Graphics) | 3.730 | ★★★☆☆ |
サウンド(Audio) | 2.405 | ★★☆☆☆ |
操作性(Control) | 3.297 | ★★★☆☆ |
雰囲気(Mood) | 3.514 | ★★★☆☆ |
斬新さ(Innovation) | 3.162 | ★★★☆☆ |
私の中で、サウンド1、その他3(可もなく不可もなく)の予想でした。
思ったより良かったと思います。
サウンド
純粋に実装工数が取れませんでした。後からでも足せたのですが、公平性を期して、サウンドなしで通しました。
それでも1以外を付けてくださった方がいたのは嬉しいです。
素材サイトに精通している事は武器になります。
絵作り・雰囲気
絵作りと雰囲気が比較的(私の中で)高得点をいただけたのは嬉しかったです。これは素材を提供して下さっている七三ゆきさんとゆるドラシルさんのおかげです。
七三ゆきのアトリエ
ゆるドラシル RPGツクール素材提供サイト
操作性・楽しさ・斬新さ
この辺りは私の中でも可もなく不可もなくという感じで、概ね予想通りです。
ゲーム中盤は少し退屈さを感じる可能性があり、その問題を解消できなかったため、もっとキツイ評価も来ると思っていましたが、最期までプレイしてくださり、前向きで温かいコメントを寄せて下さいました。また私自身もたくさんの課題を見つけられたので、作ってみて良かったと思いました。
考察
順位は気にしない
みんなスタートラインがバラバラなだけでなく、参加目的もそれぞれでした。
目的が異なる人たちが異なるベースで参加している以上、unity1weekのランキングは、そこまで指標にしなくても良いように感じました。
勝つことより、自分の目的を果たす方がはるかに有意義に感じます。
それでも、もし勝つことを目標にするなら、ある程度、王道とセオリーに従う必要があると感じます。
スタートラインの違い
unity1weekはリソースの縛りは一切ないので、スタートラインが違います。
一人一人が、まっさらなパソコンを割り当てられて、インターネット接続なし、一から構築といった縛りはなく、
これまで集めたUI素材、コードスニペット、エディタ拡張、アセット知識、素材サイトの知識、PCのスペックまで、一人一人全く異なる地点からスタートします。
また、仮にマシンスペックが同じでも、経験年数によるクラス分けがされているわけではないので、スタート地点での経験値に差があります。
参加目的の違い
実績作り、腕試し、宣伝目的など、それぞれが様々な理由で参加しています。交通量が多いため、得たい目的に沿って参加している様子でした。
そのため、あまり順位を気にするよりは、自分が何を検証したいかに注力する方が、価値があるように思います。
勝つなら仕込みが必要
それでも勝つことを目標にした場合、過去のunity1weekに関する情報も開示されているため、これらのリソースの活用と事前の仕込みが必要になります。
過去の実績を活用できるため、実績を作るならunity1weekですぐ使えるようなUIを揃えておいて、一週間の開発期間はゲーム性に全振り(極端な話、ベースを事前に作っておいて、テーマに通じる点を一つでもこじつければ、提出はできてしまう)するのが一番効率的ではあります(やりたいかは別にして)。
青木ととさま(@lycoris102)が主催するunity1week共有会も参考になります。
たとえば、第8回共有会で MIYAKEさま(@ScreenPocket)に教えていただいたのは「寿司、筋肉、ゴリラ(KMG理論)」でした。これらを扱うと、参加者から高評価をいただきやすい、という仮説です。
(unity1week共有会 第8回)
www.youtube.com
自分の目的を達成する
私はというと、日々の業務で着手できずにいた機能を作ってみたい気持ち、それがどんな反応を得られるか知りたい気持ち、いわゆるテストマーケティング的な視点で参加しました。
●1週間で作れるか、機能は面白いか
●面白そうと思ってもらえるか(キャッチ)
●unity1weekという場の利用のされ方(場の研究)
そのため、見てくれたか、プレイしてくれたか、が分かった時点で目的を達しており、また、作っていた時点で、すでに課題がたくさん見つかったこと、また駆け引きの作り込みに関しては、発想の仕方としては間違ってなさそうだという感覚を得られました点も、参加した意義を充分感じられる機会でした。
作れるか
4ヶ月前、Unity1weekの存在を知った時は、今のように他のクリエイターとの交流もほとんどなく、ゲームを作り切った実績もなく、一週間で作れるようなものとは思っていませんでした。
ただ、この4カ月間の間、1つアプリをリリースし、Twitterに進捗を上げ、移植しやすい作り方を試行錯誤した結果、今回は、何か作れるような気がしました。
もしできたらすごい飛躍だし、ダメでも挑戦する価値はある。
その結果、少し締切は遅れたものの、ゴールデンウィーク中ということもあり、Twitter上での応援をいただきながら、一週間で作り切る事ができました。
後押しの力を感じたものとして、何かいい指標が無いかなと考え、いいね数を集計してみました。
期間中に、144名の方から、272いいねをいただきました。うち4割の方(56名)が少なくとも2回以上いいねして下さり、いいね数全体の68%を占めました。

※え、いいねってブックマークの意味じゃないの?いえ、たとえブックマークだったとしても、記憶にとどめておこうという意味なので、関心を寄せていただいたと受け取っていいと思います!
中には、Unity1weekに参加されている方もいました。
期間内は自分のことで手一杯でしたが、いろんな方の励ましがあり、後に引けないという思いで続けられたと思います。
面白いと思ってもらえるか
作る手順と、面白くないと感じたところからどう打開したかに関して、前回の振り返りで触れました。
実感したのは、面白さというのはたまたま生まれるものでなく、ゲームをプレイヤー体験を中心に組み立てた結果として創られるという事でした。
実際は、多くの発明がそうであるように、偶発的に生まれる場合もあると思います。それでも、世の中にある多くの面白さは、製品の開発と同じように、設計と検証を重ねた結果として、意図的に創り出されていると実感しました。
面白そうと思ってもらえるか
「面白そうか」は、ゲームが「面白いか」とは別の次元に感じました。
今感じたのは、ゲームを「面白い」と思ってもらうには体験を中心とした導線設計が必要で、ゲームを「面白そう」と思ってもらうにはビジュアルの設計が必要、という観点です。
かっこいい、凄そう!
とか
ヤバそう、怖そう、見てみたい!
これはウケを狙えそう!
とか
これはバカだー!やってみてぇー!
とか、狙いたい反応や感情を軸に設計していくように思いました。
自分は、まだまだ研究、知恵、腕が足りない。今は、腕を磨くか、あるいは外注するしかないと思いました。
伸び代しかない、と思うようにします。
unity1weekという場について(分かったこと)
その他、unity1weekを発表と個人のパフォーマンスの場と見たときに、前述のように、実に様々な理由で参加していることが伺えました。
実績作り(ゲーム会社に入りたい、誰かの目に留まりたい)
多くの方がゲーム会社への就職を目標として参加していると感じました。あるいは、目的とする誰かの目に留まりたいと思って参加しているように感じました。
大学生や転職希望者など、ゲーム業界に就職したいと考えている参加者からは、何歳までに実績を作らなければ、といった鬼気迫る感情があり、それがランキングを一つの実績として捉える空気感を醸成しています。
これも当たり前と言われるかもしれませんが、ランキング自体が自分の実力を示す物差しだと考えている方は多く、そのためランクに入れなかったことをがっかりするつぶやきも多くみられました。
腕試し
ゲーム会社に所属しており、あるいは個人開発しており、腕試しで参加される方もいらっしゃるようです。
こういった方々は、誰かの目に留まりたい、というよりは、自分の力を見たい。新しい要素、新しい分野、新しいジャンルに挑戦したい、といった動機で参加されているようです。
宣伝したい
アプリストアにリリースする予定のゲームを横流し、あるいは過去作を少しマッシュアップして新しいor違った角度から見せる、といった出し方をされる方もいます。
そういった方の作品の特徴として、とても一週間で作ったと思えないような豪華さ、またはアプリを意識した縦画面構成になっている、など、いくつか特徴があります。
アプリストアなどは競争が激しく、自分から積極的に露出していかないと、なかなか目に止まらない、見てもらえない、プレイしてもらえない背景があります。自分もアプリをリリースした経験上、自分で宣伝しない限りほとんどダウンロードが見込めないという実感はあります。
unity1weekは、テーマに沿ってさえいれば出品でき、先程の仕組みによって、多くの方にプレイしてもらえるので、アプリ自体の反応が見られるという安堵感はあります(そういった参加の仕方が推奨されているわけではない)。
この場を活用したいという気持ちは分かります。
今後の開発について
今回の参加を受け、これからの開発の進め方について考えました。
これまでは、未知の技術に多くの時間が割かれていましたが、今回は得意に全振りした結果、1週間で作りました。
今後も、新規技術に積極的に取り組むものの、より早くリリースできる仕組みを整える必要を感じています。
そこで、少し今の段階ではまだ無理ですが、将来の目標として、1ヶ月~1ヶ月半で1リリースできる体制に持っていきたいと思いました。

●設計・デバッグ(1week)
●プライバシーポリシー&利用規約、内部テスト、ドキュメント(2week)
●販促ツール(アプリ紹介、スクリーンショット、広告、プレス等)(1week)
※開発しながら、次のゲームの構想を検討
新規技術に時間を割くなら、習熟のために最大で2weekを見込みます。

一つの大きな作りたいものため、小さなトライアルを繰り返せる環境。

こうしたいのは、技術の習得に時間を割く間も、リリースを止めてしまうのでなく、キャッチ(面白そう)とゲームデザイン(面白さ)の市場テストをできるだけ小さい影響(損失)で繰り返す(回数=経験量を稼ぎたい)ためです。
新規技術の習得は個人開発では不可欠ですが、タイムパフォーマンスを出せない面ではリスクです。新規技術を取り入れるなら、まず新規技術だけで一つ製品を作るつもりで時間を投資する。
私の場合、今リリースを目指している ちいさなどうぐや は、1か月でリリースできるボリュームではありません。
ただ、ちいさなどうぐやを目指していたからこそ、今回のunity1weekの作品を一週間で作りきれた(構想が固まっていた)という背景があります。
つまり、より大きいもののために、より小さいものをたくさんつくり、それ自体製品にしてしまう。
本業も忙しいので、どこまでできるか分からないですが、少なくとも目標に掲げたことで、これまでよりリリースのペースが早まったら、たとえその通りにできなくても、目標を掲げなかった時よりも速いペースでリリースできるなら、掲げる価値があります。
作りたいものを作っている間も、少しでも稼げないと体力(資金)が尽きてしまうし、家族の協力も得て作っているので、今後はそのようにやってみたいと思いました。
以上、参考になれば幸いです。