unity1weekで、「薬草そろえて売ってみる?」というシミュレーションゲームを出品しました。
参加したことで多くの学びがあり、今後のゲーム開発に活かせそうな教訓もたくさん得られたので、まとめておきます。
思っていたよりたくさんの方がプレイして下さり、嬉しかったです。
作りながら感じたことは、面白いだろうと思って作ったゲームが、作ってみたら面白くないことでした。そこからが勝負でした。
開発の進め方

今回の目標は、できるだけイテレーティブに作ることでした(初日でゲームをプレイできる最小形を作り、それをブラッシュアップしていく)
イテレーティブに作ってみる
私のような無名のクリエイターが、一週間で認知されて、少しでもプレイしていただくには、初日からゲームの全体像が見える必要があると感じました。
そこで考えたのが、まずゲームの全体の流れ(画面遷移)を完成させ、それからゲームの主幹部分(駆け引き部分)を開発するという方法でした。
全体の流れ、ゲームの中心の順に作る
ゲーム全体の流れ(基本の流れ、開始~終了)
今回のゲームでいえば、ゲームの全体像を説明するのに必要なのは、
●チュートリアル
●操作画面
でした。

チュートリアルを含めた理由は、
●ゲームの概要を記述できること
●進捗動画でゲームの説明ができる
ためです。
駆け引きを生む要素
ゲームの内容は売買によって売り上げを上げる事ですが、売買自体は単純で、あまり面白味を感じられない可能性がありました。
そこで、ゲームとしての駆け引きとして、
●売買できなくなる条件(ハンディキャップ)
●売買を有利に進める条件(チート)
を考えました。

当初の目算は、ゲームの流れで1日、ゲームの駆け引きで2日の予定でした。
以下が、Twitterに上げた各日の進捗です(実際は動画)

実際は、ゲームの流れで2日、駆け引きで4日かかり、そのため最終日に怒涛の勢いで残機能を仕上げることになりました。
評価期間内での挑戦
評価期間中は、本当は他の作品をプレイしに行くのが慣例です。
しかし、自分のゲームについてまだやりたいことが残っていました。
●ゲームの紹介をしてみる
●ゲームバランスを検証する
他の方の作品をプレイしながら、並行して上記を進めました。
ゲームの紹介をしてみる
今回、ゲームの紹介のために作成したのは、以下の5つの記事でした。

(ページ一覧へのリンク)
薬草そろえる カテゴリーの記事一覧 - ゲーム化!tomo-manaのブログ
操作方法は、初日にチュートリアルを作成していたこともあり、記事にするほどの内容はありませんでした。
課題として感じたのは、何をするとどうなるか(因果関係)がゲームからつかみにくいことでした。
これが、ゲームを難しく感じさせる要因の一つとなり得ると思いました。
ゲームバランスを検証する
クリアできそうでできない絶妙なバランスで面白かったと言ってくださった方が多かったのですが、
実は今回の反省点として、ゲームバランスの時間を十分に確保できませんでした。
先ほど、メイン機能に3日かけるつもりが5日以上かかってしまったと書きました。
残りの1日ちょっとで、タイトル・エンディング・unityroomへのアップロードテスト・ゲームバランスの調整までやらざるを得なくなり、2~3回の通しプレイでおおまかな得点分布を予想し、2回目で達成できそうな目標を決めました。
このバランスが良かったと感想をいただけたのですが、自分でも本当に難易度がちょうどいいのか不安だったので、時間をかけて配点を検証することにしました。
検証用に作った記事が以下の2つです。

(ページ一覧へのリンク)
薬草そろえる カテゴリーの記事一覧 - ゲーム化!tomo-manaのブログ
実は、検証した結果、計算式の一部が間違っていることに気付き、またニュース機能が思ったよりもきわどいバランスで組まれていたことが分かりました。
不幸中の幸いです。
我ながらあの短時間でよくこの数字をアサインしたなと感心していました(火事場の何とか)
チャレンジして気づいたこと
持っている技術で勝負(ゲーム作り以外の技術も活用できる)
ただでさえ時間がかかるゲーム制作を、一週間でやろうというので、新規技術にチャレンジする余裕は全くありません。スタートした時点ですでに持っていたものでチャレンジすることになりました。
これは学校や資格試験のテストと同じだと思います。
構想を一週間で作れる内容に縮小させていく中で、気が付いたことがあります。
それは、ゲーム作り以外の技術も活用できることです。
これまでの人生で積み重ねたものを総動員させることで、漫然と作っていた時に思いつかなかったような自分の強みに気付けるのは、unity1weekの一つの面白さだと思いました。
たとえば、私は広告デザインの仕事をしていたことがあるので、画面配置は少し当時の知見を取り入れています。
また、本業は組み込み屋なので、文字数の限られた画面での画面遷移の作成は慣れています。
これらは、これまでのゲーム制作でそこまで意識してこなかった知識ですが、今回短時間で作れるものを徹底的に追求していく中で見つけた強みでした。
その他、たとえば「ポーカー」や「ちいさなどうぐや」で身に付けた単体デバッグの手法や、「20分・90分タイマー」で身に付けたオブジェクトの設定をinspectorに集約していく方法など、これまでの経験をフル活用して作っていました。
できることに集中すると、人間こんなに早く一つの作品を作れるのかと自分でもびっくりしました。
基本モデル完成→つまらない、からが勝負
当初より2日遅れで基本モデルが完成、実際に遊んでみました。そこで致命的な欠陥に気付きました。
面白くない。
家族にプレイしてもらおうとしたところ、「説明が長い」「何をしたらいいか分からない」「つまらない」と散々でした。プレイ開始にまでたどり着けてもらえません。
これはまずい。
ゲーム内で判断を促す手がかりが何もなく、ただボタンを押すだけ。
何が足りないのか。
あと1日でできることを必死に考え、できるだけやってみようと思い、いくつかの提案機能を実装することにしました。
それが、散策時にどのアイテムが一緒に獲れるかという情報と、どの場所で散策が一番得かという情報、それとニュースが告知か適用中か分かるような文にすることでした。
これらが功を成して、少なくともチュートリアルを超えてくれれば、少しはプレイしてみようという気持ちになりました。
家族からは結局プレイしてもらえることはありませんでしたが、それでも少し興味は持てそう、くらいの反応はもらえたので良かったと思います。
今後の課題
やはり、今回痛いほど痛感したのは、
●BGM、SE の付け忘れ(選ぶ時間が取れなかった、無料サイトの知見が無い)
●動的な表現ができない(動く文字、プログレス表示、押した感のあるボタン、など)
どちらも、夢中になるために必要なものです。
また、もう少し今回のゲームに沿った内容でいうと、できるだけ数字でなくても表現できるものは数字を使わないことが教訓として挙げられます。
たとえば、アイテムの在庫は以下のようにすれば、在庫の上限と所有、行動の結果どれくらい増減するのか、行動を決める前に知ることができ、より戦略性が生まれたと思います。

それと、今回1週間でゲームを作って思ったのですが、
温めてきたゲームのアイデアが、作ったけどつまらなかったら嫌だという気持ちが、無意識にゲームの完成を遅らせているように思いました。
エタる原因の一つになるので、さっさと作った方がいいと思いました。
読んでいただいてありがとうございました。
(以上)