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Twitterの功罪ーなぜTwitterは炎上する?

何とも挑発的かつ物騒なタイトルになってしまいましたが、Twitterは文字通り成功を生み出している部分と、罪悪を生み出している部分があると思います。

今回は特に、どうしたら炎上を減らせるのか考えたときに、気づいたことをまとめます。


Twitterを使い始めて間もなく、Twitterは炎上や誤解による言い争いが絶えないことに気が付きました。


Twitterは炎上を生みやすい。

それは、Twitter広告宣伝目的としては良いが、意見交換目的としてはあまり良くないからではないかと思いました。

どうしてそう思うか、また何を心がけたらいいか。自分なりの見解をまとめておこうと思いました。

※あくまで個人の見解です。怒りのコメントは受け付けておりません。

炎上の理由

Twitter上の炎上理由は様々です。


しかし、その多くは、匿名で意見が言えてしまうことにあります。

また、Twitterがパブリックであるにも関わらず、140字の字数制限が付いていること。一般的に、多くの人に向けて話をする時、聴衆が多様なほど、前提を合わせるのに苦労します。それにも関わらず、Twitterではこれを140字で完結しなければなりません。
(リプで延ばせますが、大半の方は最初のツイートしか見ません)


その他、Twitterを構成する主機能―いいねリツイート引用リツイートが、それぞれ広告宣伝用としては悪くないものの、意見交換用としては不自然な機能であることも、炎上を生みやすくしています。

  • 匿名
  • 前提を合わせるには字数不足
  • 主機能が広告宣伝に特化、信頼構築には向いてない


以下、それぞれがどのように炎上に加担しているかを、順に見ていきます。

匿名性

赤の他人が参入できる匿名コミュニティは炎上します。

(某掲示版や某動画投稿サイトを連想された方も少なくないでしょう)

人は、自分に責任が追求されにくい状況だと、批判同調しやすい傾向があります。


少し遠いかもしれませんが、賛同より批判が受け入れられやすい背景として、現状維持バイアスがあると思います。提案に賛同する(行動を変える)より、批判する(現状を維持する)方が楽だということです。

また、自分に責任が追及されにくい状況では、全体にとって一番良い(全体最適)よりも、自分にとって一番良い(部分最適) を選びやすい傾向があるようで(キティ・ジェノヴィーズ事件(傍観者効果)や、ミルグラム実験(服従)など)、この傾向もまた炎上に加担しやすくしている可能性はあります


お互いに面識のない匿名コミュニティは、これらに似た心理が働きやすくなります。多くの人が、一人の意見に批判的に同調した結果、炎上が起こるというわけです。

字数の制限(前提が合わない)

字数制限は興味を引かせるには良く働くものの、意図を理解するには悪く働きます。


商品の説明
TVコマーシャルは15秒、Yahooニュースの見出しは13文字などと言われるように、何か特定の商品や出来事をアピールする場合は、興味を持ちさえすれば良いため、できるだけ文字を集約することは良い方向に働きます。

Twitterの特徴として、圧倒的に少ない字数制限(140字)があります。これは、余分な情報を省いて、より印象に残る言葉だけを選ぶにはとても役に立ちます。


意見を言う
一方、意見を言ったり、立場を表明したりする場合には、この字数制限によって、本来は共有されるべき前提条件が、しばしば省略されます。


Twitterの言語集約性に着目して、自分の意見を140字でまとめる事に賛同する方々もいます。

それ自体に口を挟むつもりはないのですが、普段から頭の回転が速い方同士で話している場合、短い言葉でやりとりできる背景には、多くの暗黙的な了解(前提条件)が共有されていることを忘れがちな気がします。

お互いをよく知った上で行う仕事は、多くの情報を知ったうえで仕事をしていますので、一言二言で伝えられます。

しかしこれが、見知らぬ相手との商談なら、相手を知るまでに少なからず時間がかかるはずです。「私は顔を見ただけで相手の性格が分かり、すぐに打ち解けます」と豪語する営業の重鎮たちは、自分たちが五感で受け取っている情報量の多さを無意識のおかげにして片付けているだけです。

前提条件を合わせるためには、多くの人が考える以上に多くの情報が必要です。


Twitterも、過去の発言を見ていけば、その人の人となりは見えるじゃない?」そう言える方は、残念ながら少数のようです。
多くの方は、人となりを見ることなく、流れてきたなんとなく良さそうな言葉、腹が立つ言葉、晒された情報に対して情動的(脊髄反射的)に反応します。さらにその発言に、たくさんのいいね、リツイートが付いていようものなら、高い確率で理性がぶっ飛んでしまうわけです(だからこそ「バズる」現象が起こる)

そのため、見ず知らずの人が、何の前提も共有されていない場の中で、たった140字で語った言葉は、発信者の意図とおおよそかけ離れた内容として解釈され、思いもよらぬ返答が返ってくるリスクを常に秘めています。

Twitterを構成する主機能

その他、Twitterの誇る主機能には、意見交換を図るには不自然であると感じる点がいくつかあります。順に見ていきます。

いいね

一見良さそうなのですが、Twitterが設ける報酬回路設計(インプレッション統計)フォロー制限(2022年6月時点で5000人時のフォロー・フォロワー比、一日400フォローの制限)のせいで、いいねを素直に受け止めきれなくなっています。

素直に押されたものであっても、いいねの含意が多すぎて、だんだん喜びきれなくなっていくのです。


いいねの元々の意味は元々はブックマーク(ファボ:favorite)です。

広告宣伝目的であれば、誰がブックマークしたかはあまり興味が無いと思います。
でも、どれくらいの人に関心を持ってもらえたかを測る指標としては、使えなくもないと感じると思います。

これがいいねに変わりました。

いいね(参考になる)、と、発信するあなたは素晴らしい(感謝)は、似ているように見えて、その受け取られる印象は全く異なります。


またさらに、いいねは、通知機能と連動することによって、発信者に自身の存在を知らせるために都合よく利用される機能になりました。

元々は相手の発信に興味がある事を示すはずが、自分に振り向いてもらうための機能として使えてしまうのです、いわば逆宣伝の側面を持っています。


いいねを受け取ると、少なくとも以下のどれかの意味になります。

  • あなたにいいね→ありがとう(感謝)
  • 発言にいいね→間違ってない(承認)
  • 通知を想定→頑張ってるね、僕も見てね(逆宣伝)

強迫観念のように「リプ返し」が横行する背景には、このような通知機能との連動設計が影響しています。広告ならいいんです。意見交換では緊張感が増していきませんか。

リツイート

リツイートを、意見交換の場で使われる一番身近な機能に例えるなら、メールでいう「転送機能」でしょうか。

宣伝なら、ボタン一つで次のフォロワーたちに広まってくれて、これ以上に拡散効果のあるものはありません。

しかし、意見をリツイートする場合は異なります。

通常、相手との信頼関係の中で話した内容を第三者に知らせる時、知っている第三者に転送する場合でさえ、転送する文言を精査した上で、相手に許可を得たうえで転送するのではないでしょうか。

ツイッターリツイートは、相手に何の許可もなく転送されます。

さらに、嫌がらせや晒し目的で公開されたものであれば、被害者が止めるのも間に合わないでどんどん拡散されていくのは目も当てられません。

なお、リツイート機能は、開発に携わった方々も後悔をしていて、「弾丸を込めた銃を4歳児に手渡してしまったのかも知れない」という言葉を残しています。4歳児とは、立派な知能を得た大人が、衝動で行動している時の知能レベルを指す言葉です。

iphone-mania.jp

※ただし、リツイート機能を無効化したからと言って、この現象が無くなるわけではありません。スクリーンショットを取られて発信されたら、同じことをされたことになります。
しかもこの場合、被害を被った側が、誰かから通報してもらわない限り気づくことができないという意味で悪質なだけでなく、実はその発信者にもまた意図しない悪影響が及びます。つまり、発信者がそういう悪意に平然と手を染める、人の信頼を平然と裏切る人間であることをわざわざ公開して、発信者自身の社会的信頼を損なう自滅行為でもあります。

引用リツイート

引用リツイートは、リツイートの内容に自分なりのコメントを追加して発信する機能です。

この機能だけは、宣伝目的としても、意見交換としても、どうしても不自然さが解消できない機能です。

この機能は、自分の見解を述べる機能として機能します。インターネット上に投稿されたすべての発言は充分に精査されたものであり、いついかなる場合でも参照され、引用されるに足る発言であって、その発言を元に自分の意見を述べることは生産的、という極めて楽観的な視野に基づいて作られた機能にしか見えません。

先程のリツイートと同じく、引用リツイートもまた、発言を自分のタイムラインに引き込みます。たたし、発言内容は発信者に通知されます。

当然、発信内容は感想(リプ)と同じように通知されるので、発信者はそれを感想と受け取ってよいか、それとも第三者に何かを説明するために自分が引用されたかが、そのリツイートの前後を見ないと、よく分からないのです。

この機能は、Twitterを自分の見解を述べるツールとして見るなら機能しています。

なお、直接的な引用リツイートを避け、RTという頭文字を付け、リツイートした内容にコメントをつぶやく慣習が見られますが、実はこれも、リツイート元からトレースしにくいという意味で、それが良い内容であっても、陰口を叩かれているのと同じ状況を生みます(発信者から見えない場所で行われるコメント)。

つまり、引用リツイートは、Twitterが閉じた空間でなく、開いた空間であることとの相乗効果で、引用された側として、どう引用されているかといって気を散らされる、場合によっては傍迷惑な行為になり得ます。

フォロワー

フォロワーは自分のツイートに興味があることを示します。

ただし、フォロワーを支持者(ファン)と勘違いしている方もいます。フォローされているとは単に、銃口を向けられているだけのこともあります(誰が言い出した言葉か追いきれてません)

フォローされることには、少なくとも以下のどれかの意味があります。

  • いいねを付けて応援したい(ファン)
  • 参考になる(生き字引)
  • 突っ込みやすい(いじり、愛されキャラ)
  • バカっぽい、面白い(晒し目的)
  • 動向を警戒しておこう(監視)
  • 宣伝相手としてロックオン、フォローバック期待(見返り)

銃口といえば3番、4番あたりです。

返しが面白い=ファンかもですが、晒しても笑ってくれる、はいじめの温床と同じメカニズムです。

Twitter界隈は優しい、と言いますが、それは、本当に優しいのでなく、パブリックな場で、お互いが存在をアピールしなければならなくなった結果、お互いに銃口を向けることになり、その結果、無難な行動に落ち着いているだけかもしれません。(知的レベルが高い方の参加が多いため、純粋に教えてもいいかと思ってくださる方が多いのも確かですが)

この意味では、パブリックであるということが良い方に抑止として働いています。

ただし、多くの方はタイムラインしか見えず、フォロワーしか見えていないため、段々と、これくらいはいいかと羽目を外してしまうようです。発信は緊張続きなので、これは仕方がないのですが、引き続き炎上しないように注意する必要があります。

タイムライン

タイムラインは、フォローしている人のつぶやき、また関連するトピックを時系列に表示する機能です。

しかし、フォローしている全員のつぶやきが見られるわけではありません。

タイムラインはその名前の通り時系列に並んでいるとは限らず、非常に複雑に最適化(ソーシャルマイニング、パーソナルマイニング)された結果によって表示順が決まります。

これまでに自分自身がTwitterに学習させた、いいね、リツイート、フォローしたカテゴリに応じて、本来見たいフォロワーの情報に優先して、Twitterがおススメする全く知らないアカウントのツイートを見せられます。

これは、広告宣伝としては有利なものの、意見交換としては不利に働きます。


これは、正確な数値データが公開されている訳ではありませんが、Twitterはタイムライン上に表示できるツイート発信者数に上限を設けています。

これは人間が持つRAS(網様体賦活系)の仕組みに似せ、その基準としてダンバー数を意識していると思われます。

既存のフォロー先ほど、いいねなどの反応をつけ忘れたりすると、すぐに視界から消えてしまい、Twitterがおすすめするトレンドが優先して表示されるようになります。


これは、見慣れた情報より、常に新しい情報を表示することで報酬回路を刺激しつつ、集中力が切れないように表示される発信者数を制限しているものと思われます。


Twitterがフォローされることに向いているものの、フォローする方にあまり向いていない理由も、この最適化アルゴリズムにあります。

これによって、本当にフォローしたい相手を見失いやすい一方で、関係ないのについつい見てしまう状況が作り出されています。

そして、そのいくつかは、現在バズっているか、または炎上中のツイートです。


これがpublic communicationに寄与することか?

ここまで総括すると、どうしてもTwitter広告発信としては有利ですが、意見交換にはあまり向いてないツールだと感じます。

これはTwitterが掲げる「public communicationに寄与」しているのかは分かりません。

Twitterが流行っている理由は、それがpublic communicationに寄与しているからでなく、広告発信者に非常に有利な仕組みだからだと思います。

なお、Twitterを意見箱として活用したい人もたくさんおられますが、Twitter上で教えてもらえるケースは、自分より知識がなさそう(反論が来なさそう)と思われた相手に限定されます。(#駆け出しxxと繋がりたい、などの、下手に出るハッシュタグがいつまでも消滅しない理由の一つでもあります)

うまく聞ける人は、よほど可愛げがあり、コミュニケーションに長けているか、あるいは放火魔のどちらかです。

炎上を避ける立場を取る

これまで持論を展開したものの、これも一つの仮説に過ぎず、今なおコミュニケーションツールとして使う方も多いため、私も基本的に場に合わせて発信をするものの、私は以下の方針に則って使うことにしようと思いました。

  • リプについては、各発信者が醸し出す場の雰囲気に合わせる。ただし返信は、相手の自尊感情を高め、より健康かつ元気になる返信ができる場合に限る
  • 開発状況、内容を発信するツールとして使う
  • いいね:いいと思ったものに付ける(逆宣伝としては使わない)
  • リツイート:相手の宣伝が自分の発信内容とシンクロする場合にのみ使用する
  • 引用リツイート:相手の知識の高さ、視野の広さなどを第三者に好意的に知らせる事ができる(宣伝を兼ねる)ツイートのみに使用する


これが皆さんのお役に立つかは分かりません。これらは、推奨ということでなく、私が勝手に決めた、私専用のルールです(追ってプロフィールにも短くまとめたものを公開)。


ただし、Twitterの良し悪しをよく理解した上で、炎上を避けながら自分という社会的コンテンツ、社会サービスを意図した期間まで恙無く続けるために、いくつか自分なりのルールを創っておく事が良いかと思います。


以上、最後までお読み下さってありがとうございました。