簿記、財務諸表×ゲームにニーズがあるのか?
この記事は、2022/1/25現在の情報になります。
この記事は、2月にCampfireでクラウドファンディングを計画している、簿記3級レベルの知識をベースにした、ビジネスゲーム要素を取り入れた財務諸表×経営シミュレーションゲーム「ちいさなどうぐや」の販売可能性について探るために調査したものです。
tomo-mana.hatenablog.com
記事自体は、Campfireでリターンを検討いただく方のために作りました。
ただし、もし簿記系、財務諸表系、または経営シミュレーションをこれから作ってみようとしている方がいらっしゃれば、少しは役に立つかもしれません。
私としては、日本全国で簿記・財務諸表系に苦手意識を感じている方々が少しでも緩和するように、もう少しゲーム側に寄せた簿記系ゲームがもう少し流行ってほしいと思い、以下を公開することにしました。
傾向
(1) 簿記、財務諸表をテーマにしたアプリで、ゲーム側に寄せたものは、まだリリース自体が少ないです。そのため、もしゲーム性を持たせるなら、今は簿記や財務諸表の習得を中心にしたものよりは、ゲームを中心にしたものの方が、親しまれやすいと思います。(簿記、財務諸表に軽く触れる程度)
仕訳の暗記を目的にした学習補助アプリは、いくつかリリースされています(任天堂、SQUARE ENIX、各出版社)。
(2) 経営ゲームについては、ビジネス研修(MBA、ビジネスゲーム)と、もう少し簡単に親しめる(2~3時間で遊べる)カード・ボードゲームがあります。これらについては、別の機会に調べたいと思います。
では、以下のキーワードについて、具体的な検索ボリュームと傾向を見ていきましょう。
①簿記×ゲーム
②財務諸表×ゲーム
③経営×ゲーム
関連キーワードと検索ボリューム
関連キーワードはラッコキーワード、検索ボリュームはGoogleキーワードプランナー(Google広告)を使用しています。
簿記×ゲーム
最初に、簿記の検索ボリュームを見ておきます。
「簿記」の検索ボリューム(Google)
簿記は、商業科の高校生も受験するくらいだから、簡単な資格だと思っていらっしゃる方も多いようですが、合格率は簿記3級で50%、2級は25%、1級は10%で、簿記2級で4人中3人が不合格になります。1級を受ける人は税理士資格を目指す方が多いです。
資格 | 年間受講者数(各回) | 合格率(合格者推定) |
---|---|---|
簿記3級 | 30万人(各回10万人) | 50%(年15万人) |
簿記2級 | 15万人(各回5万人) | 25%(年3~4万人) |
簿記1級 | 3万人(各回1万人) | 10%(年0.3万人) |
簿記を知らなくても財務諸表は読めるようになりますが、簿記2級で挫折して、財務諸表に苦手意識を持ってしまった方々もいらっしゃると思います(私もそうでした)。
「簿記」+「ゲーム」の検索ニーズはあるか
→検索ボリュームはそこまで多くはありませんが、すでに学習補助系のアプリがリリースされているため、トラフィックはあります。
「簿記」+「ゲーム」の関連キーワード
●「PC」「switch」「ブラウザ」はトラフィック情報がありません。まだ競合がひしめく状態まで行っていないからだと思います。(後述しますが、PC、ブラウザでできるゲームはほとんどなく、switchはDS系のゲームです)
●「アプリ」「無料」は簿記関係の書籍の補助として使われるアプリです。
●「(ゲーム)感覚」は、ゲームではないのですが、簿記を楽しく勉強するように誘う、いくつかの簿記合格者や先生方のサイトが見受けられます。
→予想通り、簿記×ゲームでのニーズは、あってもかなり少ないようです。PC、ブラウザでできるゲームが増えることで、全体のトラフィックは底上げされていくのではないかと思いました。
もしかすると、簿記なので「(財務諸表を読みたいだけなのに)やっぱり仕訳から学ぼう」「やっぱりちゃんと教えてもらおう」「やっぱりゲームなんかに頼っちゃいけないよな」など、ざっくり理解するのではなく、正確に理解できるようにならなければならない、と感じる事が多いのかもしれません。
その他の3語キーワード
簿記+経営+ゲームはトラフィックが無いように見えます。
→実際は、検索すると「経営+ゲーム」寄りの検索結果になります。
→これは後述する「社長BOKIゲーム」(カード・ボードゲーム)と思われます。
(おまけ)
→こちらもトラフィックは少ないです。
財務諸表×ゲーム
「財務諸表」の検索ボリューム
「財務諸表」+「ゲーム」の検索ニーズはあるか
→財務諸表とゲームを結び付けるトラフィックは非常に少ないと思います。検索結果は、主にビジネス研修系がヒットします。
「財務諸表をゲームと連想づけるなんておそれおおい!」という感覚が一般的にあるのかもしれません。
経営×ゲーム
「ショップ経営」+「ゲーム」の検索ニーズはあるか
→トラフィックが無くはないですが、ジャンルとしてある程度知られたものと思っていたのに、そうでもなさそうです。
「経営」+「ゲーム」が多い
→こちらは思っていた以上にトラフィックがあります。後述するようにビジネス研修系と結びついており、経営とゲームは結びつきやすいようです。
なお、この2語キーワードは、ゲームメーカーからも少し注目されているようで、お金や経営をキーワードにしたPlayStation/Switch系のゲーム(財務諸表が出てくるわけではない)の広告が表示されます。
ちなみに、「ゲーム」(1語)全体の検索ボリュームがこれぐらいです。
「ゲーム」自体の検索ボリューム
10万~100万というのは多いか少ないか分かりにくいかもしれません。同じ粒度の言葉としては、例えば「マインクラフト」「ヒカキン」「FF14」などがあります。
なお、「youtube」などになると、さらに桁が上がって、100万~1000万になります。
検索結果
検索第何位までを見るか、という問題がありますが、今回は第7位までを確認しました。
2020年の時点では、上位5位までで、全体の7割を占めていたのですが、最近のGoogleの自社推し傾向のせいか、2021年は上位10位まででも全体の4割です。ただし、上位7位でも38%のため、7位まで見れば、ある程度傾向はつかめると思いました。
(参考)
【2021年最新】検索順位別クリック率!1位~10位のCTRは?|SEOラボ
(検索結果)
※ビジネス研修系ゲームはジャンルとして賑やかそうでしたので、そのうち調べます(これも今日の収穫の一つでした)。
簿記系ゲーム紹介
最後に、フリーで遊べる、ゲーム側に寄せた簿記ゲームを2つ紹介します。
【簿記クイズRPG】たまごの国の物語
2013年に出版された会計士山田真哉先生の著書「世界一感動する会計の本です(たまごの国の物語)」のオマージュ。開発されている先生の熱意を感じます。ゲームアツマールでもPLiCyでもプレイできます。
game.nicovideo.jp
今後、遊びながら簿記、財務諸表などを体感的に学べる、新しいジャンルが確立していくと良いなと思います。
最後まで見て頂いてありがとうございました。